アライグマの生態
アライグマは「特定外来生物」に指定された生き物です。
元々日本には生息しておらず、海外から新たに入ってきた生物を外来種と呼びますが、アライグマは人や農作物について被害を及ぼすことがあることから、「特定」とされています。
実際には、主にペットとして輸入、それらが逃げ出したり、心無い飼い主により捨てられたりして、定着したものです。
アライグマは、元々はカナダやアメリカで森林の水辺などに生息していたもので、寿命は5~10年程度といわれています。雑食性なので様々なものを食物としており、小型の哺乳類や鳥類、爬虫類、魚類、昆虫、果物、穀物と摂取するものは多岐にわたります。
基本的には夜行性のため、昼間は木の穴や地面の穴等に生息、夜になるとエサを求めて動き回ります。毎年1回1~2月に交尾し、春になると3~6匹の子を産みます。高い環境適応能力で、日本全土に分布しています。
アライグマの特徴
アライグマの体長は60~100cm(尾の長さは20~40cm)、体重は4~10kg程度です。
毛の色は灰色から茶褐色のものが多く、尻尾には黒い縞(しま)があり、目の周りは黒くなっています。その見た目から、タヌキやハクビシンと間違えられることも多いのですが、見分けるポイントは、尾をよく見ることで、その長さと縞(しま)があるかどうかによって判断が可能です。
また、指の数は5本なので、ネコ(4本)とは足跡で判断可能です。
アライグマの幼獣は、見た目や人になつく習性から非常に可愛いのですが、成獣になると、野生動物なりに気性が荒くなり、凶暴にもなっていきます。
また成獣は運動能力が高く、木登りや泳ぎが得意です。これは前足や後ろ足の指が長く、器用に動かすことが出来るためでもあります。木や物をしっかりとつかむことが可能なことから、ドアを開けたり、捕獲したオリの鍵を外して逃げるなどの例も報告されているほどです。
また視力が悪く、エサを手触りで判断することも特徴のひとつです。
アライグマによる被害
都市部ではカラスと同様に、アライグマがエサを求めてゴミを漁り、まき散らかすことが問題となっており、また郊外においても、トウモロコシ等の農作物や果樹園のスイカ、ブドウなどに被害が及んでいます。
また雑食性で何でも食べることから、一般家庭で飼育している池の鯉や金魚、学校で飼育しているニワトリなどを襲う例も報告されています。
最近では家屋に侵入される被害が多くなっております。
木登りが得意なことから屋根から出入りをし、天井裏で出産・繁殖することになります。
この場合、糞尿による被害が特に深刻であり、アライグマは、毎回決まった場所で排泄を繰り返すことから、最悪のケースでは天井が腐ることもあります。当然、悪臭も耐え難いほどのものです。
また、狂犬病を媒介することや、アライグマ回虫症の発生なども問題となっていますので、野生のアライグマには絶対に触らないようにしてください。
アライグマの駆除方法
アライグマは、鳥獣保護法によって許可なく捕獲や駆除をすることが禁止されており、捕獲や駆除をする場合には、まず事前に都道府県に届出の上、各自治体の許可が必要となります。
最近はインターネットなどで、捕獲の仕方などを調べることもできますが、凶暴なアライグマの場合、鋭いツメや感染症で被害にあう恐れもあるので、十分に注意が必要です。
家屋(屋根裏)に侵入されてしまった場合、まず進入経路の特定を現地調査により行います。
そして生息状況を確認した上で、追出すのかまたは捕獲かを決定します。
追出しの場合、煙での燻り出しや忌避剤を組合せ、捕獲についてははこ罠を仕掛けることになります。最終的に侵入口を塞いで完了となりますが、天井裏の糞尿清掃もしっかりとおこないます。
これは感染症を予防するためで、お客様のご要望により、消臭・雑菌消毒についても対応が必要です。
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